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Yasunori Sugahara

-「やすのり伝記」-


第二十三回
ビー玉

 僕が子供の頃はみんな、道で遊んだものだ。あの頃は、道が土だった。雨が降れば、水たまりができたけれど、道はとっても楽しい遊び場だった。釘で絵を書いたゲームをしたり、女の子達はまりつきをしたり、いろんな遊びができたっけ。あ、そうそう。メンコも流行っていたなぁ。

 僕はビー玉の天才だった。本当は、ビー玉はかけ事なので、学校では禁止されていたのだけれど、昔の子供はたくましいから、平気でビー玉をやっていた。ビー玉も案外努力のたまもので、僕はけっこう子供なりに努力家だったし、運動神経が抜群だったので、1メートル先のビー玉はもちろん。2メートル、3メートル先のビー玉まで見事に当ててしまう子供だった。地面のうえに四角や三角や丸を書いてその中に一人5個くらいづつのビー玉を入れてそれからゲームがはじまる。

 いつのまにか、勝ち続ける僕はものすごい量のビー玉がたまってしまった。ビー玉の王者だ。そのビー玉をどうしようかなと思っていたら、駄菓子屋のおばちゃんが運良く声をかけてくれた。「やっちゃん、そのビー玉おばさんに売ってくれない?」今考えればなかなかのおばさんだ。当時、ビー玉は駄菓子屋の店先に置かれていた。僕はビー玉をきれいに洗って、おばさんのところに持っていった。すると、おばさんは、業者からの仕入れ値の半額で僕のビー玉を買ってくれた。その頃の僕にしてはすごいお金だ。

 ただ、やっぱり僕はあんまりいいお金には思えなかったので、駄菓子だけは買わないで、親の助けと思い、ノートや鉛筆などの文房具だけにそのお金を使うことにした。それでも、僕のビー玉は増え続けてしまった。

 ある日、僕はビー玉をやめる決心をした。大きな意味はなかったけれど、なんだかビー玉を卒業しようとする気持ちになったんだ。いつの日か、またビー玉がしたくなったら掘り返そうと思って、裏の路地の土の中に全部埋めた。結局、そのすぐあとにそこはコンクリートになってしまい、僕が見に行くともうそこはアスファルトの道になっていた。くやしかったなぁ。そのためか、今でもアスファルトの道が大嫌いで、土の道を歩きたいなと思う。

続く......

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