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よく、青春ドラマを見ると10代の若者が輝いています。でも、僕は青春というと、外から見るほど輝いているようには思えないのです。むしろ、人生で一番不安におびえたり、迷ったり精神的にはつらい時期のような気がするのです。もちろん、若いということ自体は、輝ける存在です。でも、内面までそうかといえば必ずしもそうとは言い切れません。
僕が、高校3年生の時、ちょうど舟木一夫の「高校三年生」が大ヒットしました。そして、続いて三田明の「美しい十代」が大ヒット。これには、本当にまいりました。その歌の中では、若い男女がノートを貸し借りしたり、野バラを捧げたり、と胸が熱くなる青春ドラマがくりひろげられているのです。
僕は、学校の帰りに商店街から流れてくるその歌を聴きながら、涙がこぼれてきました。自分はといえば、この青春の十代をただただ片道2時間もかかる上石神井にある早稲田高等学院に通い続け、遅くまでクラブ活動をして帰ると、もう寝るだけ。もちろん、男子校なので、女の子なんて一人もいません。そうして過ぎていく毎日の中で「あぁ、僕の一生に一度しかない青春はこれだったのか。」と思うと悲しくて涙がこぼれたのです。
通学の電車の中で、楽しそうに語り合うカップルの高校生などを見るとその思いはなおさらでした(笑)そのうえ、せっかく希望の早稲田大学理工学部に無条件で推薦入学が決まったというのに、なんだか心が晴れないのです。夜、また寝床に入ると意味のわからない涙があふれてきました。
もう二度と歌や絵の世界に進むことはないのだ。あんなに大好きな絵や歌の世界。これまで、漠然と考えていた自分の現実の未来が突然、姿を現したような気がしました。そして、何かを選ぶということは、何かをあきらめることだという悲しさをしみじみ感じたのです。選ぶ喜び以上にあきらめる悲しさの大きさを痛感したのです。
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