4月19日(火)「タスマニア島」
タスマニア島がどこにあるか御存知ですか?
世界地図を広げて見て下さい。そう、オーストラリア大陸の南東のはずれにある島です。大きさはだいたい北海道くらい。南半球の北海道と思えば想像がつくと思います。正直なところ僕は世界80ヶ国ぐらいまわっているけれど、タスマニアだけは上陸したことがありませんでした。
タスマニアと言えば、僕が知っているのは絶滅してしまった、あの幻の動物「タスマニアタイガー」そして現存する珍獣「タスマニアデビル」ぐらいです。それが今回思いもかけず、にっぽん丸のオセアニア大航海のショーの仕事で訪ねることになったのです。ひょっとしたら一生、訪ねることもなかったかもしれないタスマニア島。僕の胸はときめきました。それにしても遠い。
さらに今回はニュージーランド経由というからちょっと体調が心配。ニュージーランドのウェリントンまでは本当に長い旅路でした。けれども二日がかりでウェリントンの港町に辿りつくと、まったく疲れはありません。それどころか美しい町並みと青い海、どこまでも続く森。これまでの人生の疲れまでが吹き飛んでゆくようです。小高い丘の上にはひろびろとした牧場がつづき、羊たちがのんびりとこちらを見ています。あの、あわただしい東京の街がまるで夢のようです。僕は大きく深呼吸をして、大地を踏みしめました。
翌日のフィヨルドはまさに幻想の世界。イルカやオットセイまでが迎えてくれています。氷河がつくった断崖からは幾筋もの滝が流れ落ちています。ニュージーランドからタスマニア島までまた二日間の船旅。この船旅がなんともいえず豪華。タイタニックの世界です。タスマニア島の島影が近づいてきたときの興奮は今でも忘れません。この世にこんな美しい島があったのだ!ホバートも港町。ウェリントンよりさらに一回り小さく、まるで箱庭の世界。夜、街に出るとあちこちのカフェテラスで町の人達が幸せそうにくつろいでいます。上品で素敵な人ばかり。ちょっと最近の渋谷や新宿の街が恥ずかしく感じられるほどでした。さすがにラム(子羊)の料理のおいしいこと・・・ワインも最高です。しばし夢の中。翌朝、自然公園に車を走らせました。山も川も湖もなにもかもが絵画の世界。白鳥や水鳥たちが、さらに風景におもむきを与えています。だれかがこう言っていたのを思い出しました。
「宮崎駿夫の魔女の宅急便は、このタスマニアの風景がモデル」
そういえば、点在する家の形から色合いまで本当に宮崎駿夫のアニメ映画で見たとおりです。タスマニア島のすべてが、まさに自然公園そのもの。ホバートから夢の世界を走り抜けて30分ほどで、自然動物園に到着。これがまた大自然そのもの。駐車場に止まっている自動車はたった3台。20才くらいの美しい金髪美女がたった1人で受け付けをしています。日本から歌手が訪ねてきたという事で、彼女も大喜び。動物園といっても、ほとんど檻はありません。カンガルーがあちこちからこちらを見ています。金髪美女がくれた餌をみせるとカンガルーも大喜び。次々と集まってきます。赤ちゃんカンガルーの何とカワイイこと。頭をなでてあげるとまるで子猫のように目を潤ませます。カンガルーってこんなに愛らしい動物だったんですね。あ、そうそうコアラもかわいかったですよ。背中をなでてやると、こっちはおじいさんみたいな顔をしていました(笑)そしていよいよタスマニアデビルです。肉食のどう猛なあのタスマニアデビル。まさか、生きたタスマニアデビルと対面できるとは思わなかったので大感激。さすがにタスマニアデビルは囲いの中にいました。真っ黒いねずみとブタの中間かな?(笑)とにかくタスマニアデビルの実物というだけでちょっと感激。ずっと観察してるとだんだん愛嬌が見えてきて、おもしろくなってきました。振り向くとエミューがいます。これは大きいなぁ。卵もまた特大。ちょうど産んだばかりの卵がありました。なんだか図鑑でしか見られない動物があちこちにいるので、自分まで動物になったような気持ちになりました。僕は不思議と動物の心や言葉が分かるので、動物たちと色々話しましたよ(笑)みんな仲良し(笑)身も心も洗われるひとときでした。
タスマニア島から、さらにシドニーへ。その船上で2回目のすがはらやすのりショー。今回はすがはらやすのり〜美しき日本の歌〜。フィナーレの「長崎の鐘」では、船のすべての人にお願いして、南太平洋から一分間の平和の黙祷を捧げました。南十字星の下で「長崎の鐘」を歌いながら戦後60年、あらためて平和の大切さをしみじみ思いました。
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