やすのり日記2005


 7月1日(金)「今年も誕生日月が」


 4月にタスマニアから帰国して、このやすのり日記を書いてからあっという間に月日が流れてもう7月。2005年も後半に入ります。振り返れば今年はなんと充実した半年だった事だろう。よく「便りがないことは無事の証拠」というけれど僕の場合、本当にそんな感じの前半期でした。これまで努力してきた一つ一つのことがそれぞれに実って毎日その日その日を精一杯に、けれども心から楽しみながら生きてきたような気がします。それにしても人生の出会いってほんとうに不思議ですね。

 昔、平和を願ってインドの国立劇場でコンサートをしたときに思いもかけずに案内されたのがカルカッタのマザーテレサセンター。まさか自分の人生でマザーテレサと一日を共にするなどと思いもよりませんでした。静かにそして力強い笑顔で僕を迎えてくれたマザーテレサのやさしさは今でも思い出されます。そっと差し伸べられたそのしろい手。
あれほどの苦労を重ねながら深いしわの中に神々しいほどのうつくしさを感じました。私達はつい苦労する事が、汚れることと思いがちです。けれども真実の苦労を重ねる中で本当は人間は美しく輝いていくものなのです。当時、僕も人生で色々苦しいこと、厳しいことに直面していましたが、マザーテレサの静かな美しい輝きの中に希望の光を見つけた思いがしました。「どんなに苦しい人生だって、決して後悔する事はない。心を汚す必要もない。」それから僕はどんな苦しいボランティア活動にも耐える勇気と力を身につけていきました。きっとあの運命の出会いが僕の人生の大きな転換期だったのかもしれません。そして今、マザーテレサ無き後のロイヤルプレミア試写会で皇后陛下とお会いする時を迎えたのです。僕の心の中ではどんな苦しさの中でも美しさと清らかさを守り抜いたマザーテレサと皇后陛下のお姿が重なってしかたありません。先日のテレビニュースで天皇皇后両陛下のサイパン戦没者慰霊の旅を拝見して、その思いをさらに強くしました。

人間には自分の生を終えるまでに、必ず使命がある。このごろそんな気がしてなりません。以前は正直なところ「自分は何才まで歌い続けることができるのだろうか?」と不安に思ったこともありました。けれども今の気持ちは「命あるかぎり、声が出るかぎり、そして僕の歌を待っていてくれる人がいるかぎり歌い続けたい」そう思うのです。今だからこそ歌える歌、伝えたい心も数え切れないほどあります。もっともっと歌いたい。心からそう思います。夏から今年の後半にかけて大きなコンサートが立て続きます。一度の人生一度かぎりのステージ。そのひとつひとつを大切にしたいと思っています。

7月19日は僕の誕生日。その前日の18日、渋谷のJZ Bratで生まれて初めての誕生日前夜祭を開催します。今の自分の正直な思いを歌に託して出席してくれる一人一人のみんなに伝えたい。そう思います。

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