人生エッセイ

「大切な2つの言葉」

 人間が生きて行く上で必要な言葉、大切な言葉は沢山ありますが、その中でもっとも単純な2つの言葉について考えてみたいと思います。それは「ありがとう」と「ごめんなさい」です。

この頃、熟年離婚が増えていると言われています。そんな理由の1つが「夫から “ありがとう”という一言が欲しかった」という妻の話をよく聞きます。永年、一緒に暮らしながらなぜこんな簡単な言葉が言えなかったのでしょうか。勿論、「ありがとう」という言葉の裏側には、感謝の心があります。毎日食事を作ってもらっても、お茶を入れてもらっても、「ありがとう」の一言さえ言わない夫がいます。これでは毎日どんなに妻が苦労して夫に尽くしても誰でも嫌になってしまいます。

一般に日本の夫が妻に「ありがとう」と言えない理由に、次の3つの状況が考えられます。

  1. 本当に感謝の心がない
  2. 「ありがとう」と言うと相手がつけあがると思い込んでいる
  3. 感謝の心はあるけれど恥ずかしくて言えない

1と2の人は一人の人間として、もっともっと成長して相手の気持ちが解る人間になるよう努力しなければならないと思います。あるいは、もし感謝の心がないならば、自分の力で一人で生きていくべきだと思います。でも、それでは寂しいですよね。ほとんどの日本の男性は「3」ではないでしょうか? それが相手の女性にはやはり伝わらないのです。「ありがとう」という言葉のやさしい響き… 実はそれが大切なのです。言葉は古来、言霊といわれ、その言葉自身に魂が宿り力を持つものなのです。どんなささやかな事でもありがたいという心を失わず、その心をやさしい「ありがとう」という響きに込めて伝えたいですね。そんな小さな心遣いが人生では案外大きな力を持つのです。これは決して夫婦だけの問題ではなく、最近の日本人全体に言える事だと思います。

次に「ごめんなさい」という言葉です。これも「ありがとう」と同じですね。「ごめんなさい」が言えない人は、

  1. 本当に謝る気持ちを持たない
  2. 「ごめんなさい」と言うと相手に負けるような気がする
  3. 謝る気持ちはあるけれど恥ずかしくて言えない

殆どの場合が、上の3つのケースだと思います。
相手に対して本当に悪かったと思う気持ちは「思いやり」に他なりません。思いやりがある人なら自然にごめんなさいが言葉になるはずです。「ごめんなさい」と言うと相手に負けるような気がすると思う人も、やはり相手に対する思いやりが欠けています。悪い時には潔く「ごめん」と言ってあやまる勇気がある人こそほんとうに強い人間だと思います。

もちろん必要以上に謝ることはありませんが、人間が生きて行く上で、爽やかに温かく、さりげなくこの「ありがとう」と「ごめんなさい」が言霊として言えたら、きっとその人の人生は幸せになると思います。そして、そんな幸せな人たちが力を合わせて生きて行ける国、日本になるといいですね。

あっ、こんな僕のエッセイを読んでくれて「ありがとう!」(笑)



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