第十八回「弟・そうたちゃん」

 この物語に、ちょこっと顔を出してきた弟のそうた。この子が、またおもしろい子供です。今年で21歳になりますが、現在「週刊SPA!」でCG漫画「みんなのトニオちゃん」を連載。目下、アメリカのプロダクションからの依頼でプロモーション用のCGビデオを制作しています。海外ツアーの時、よく幼いゆうたとそうたが、私達両親に連れられていろいろな国を旅しましたが、二人の性格はそれぞれで、ひょっとしたら、二人で一人なのではと思う事があるくらいです。B-DASHのマキシシングル「FREEDOM」のグラフィックデザインは、もちろん弟のそうたです。いつも、B-DASHのライブでは、兄の応援で客席でフィーバーしているので、ライブ会場でその姿を見かけた人も多いのではないでしょうか。今回は、物語をひと休みして、ちょっとこの弟のそうたの幼い頃のエピソードを2、3お届けしましょう。

 アメリカ横断ツアーの時です。私達一家はJAL(日本航空)に乗りました。御存じのように飛行機に搭乗すると、スチュワーデスが飲み物の注文を聞きにきます。「お飲物は何になさいますか?」スチュワーデスは笑顔でそうたに微笑みかけます。「ジュース!」元気なそうたの返事にスチュワーデスはうれしそう。そうたは元気に続けます。「100%ジュースですか?」。「まぁこんなに小さな子なのになんとお利口な事」スチュワーデスは誇らしく答えます。「そうよ。ぼうや。JALはね。全部100%天然ジュースよ。」すると、突然そうたが叫びました。「じゃあ、いらない!すっぱいから!」スチュワーデスは真っ赤になって、うつむいてしまいました。まわりの乗客達も大笑いです。そうたには、なんの悪気もなかったのですが......

 そういえば、こんな事もありました。小学校に入学した最初の日。学校の担任の先生から、両親がきつく注意されてしまいました。その日、授業がはじまっても、そうたは大声で喋り続けていたそうです。先生はたまらず、「菅原君!教室の中で喋ってはいけません!」と注意したところ、そうたはまた大声で「あ!先生が喋った!」と叫びました。先生が慌てて「先生はいいのです!」と叫ぶとそうたはさらに「あ!また喋った!」と大声で先生を指差したそうです。教室で喋ってはいけないはずなのに、先生だけが喋っている事がそうたには不思議だったようです。何ごとにつけ、こうした子供だったのでそれから後はご想像にまかせます。

 こんなそうたとゆうたのコンビですから、きっと親にはわからない世界での出来事も数多くあったのではなかったと思います。その意味では、このB-DASH物語は、あくまでも僕自身の目から見たストーリー展開になっていますが、まぁ、それなりに楽しく読み続けていただければうれしいです。

 さぁ、それでは次回はまた楽しいお話が待っています。なんと、欽ちゃんのオールスター家族対抗歌合戦にすがはら一家が出場する事になったのです。もちろん、ゆうたも.....

 


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