第四十三回「地球に生きる」

 こうして、今、改めてアフリカの難民キャンプでのいろいろな出来事を思い出していると、時の流れをしみじみと感じます。あの時、難民キャンプで泣いたり笑ったりして過ごしたあの2年生のかわいいゆうたちゃんの姿はもうこの世のどこいんもいないのです。そのかわり、たくましく育ち、B-DASHのボーカルとしてライブのステージに立つ青年のゆうたが存在しています。写真を何度見返してもあのかわいいゆうたちゃんがもうどこにもいないという事実が不思議でなりません。時の流れが人を変え、時代を変えていくものです。今、ゆうたは6月発売予定のニューアルバム「LOVE」のレコーディングのため、タナマン、アラセ達と山中湖のスタジオで合宿に入っています。3月1日から18日まで。

 これまでのゆうたでは考えられない長期不在です。昨日、弟のそうたが携帯に電話したら、元気でレコーディングしているとのこと。作品の出来も上々だそうです。初のマキシシングル「ENDLESS CIRCLE」、そして、「FREEDOM」をはるかに越える名アルバムが完成するのは間違いなさそうです。少し前、一晩中作曲に専念していたゆうた。完成した新曲を目を輝かせて家族に聞かせてくれたあの一時は今でも忘れられません。今度の「LOVE」というアルバムにはゆうたのかなりの願いが込められているようです。一曲、一曲どれもすごい力作。子供から大人まで。そして、どの国の人にでもすぐに伝わる本物のメロディです。これまでのアーティストはともすれば、日本で成功して世界に「進出」していく事が多かったのですが、ゆうたの場合そのままMTV等で世界に流れていけば、そのまま世界的なヒットになっていきそうな予感がします。それは、ゆうたが狭い日本という枠の中だけで、生きるのではなく、幼い頃から地球を舞台に生きてきたからではないかと思われます。音楽は最終的にはその人自身です。親として、苦しかったけれども、こうしてカンボジアやアフリカ等で世界の人々とともに、生きてきた事がそのままゆうたの、そして、B-DASHの音楽になってくれればうれしいと思います。広い意味での「LOVE」きっと、今度のニューアルバムは多くの事を語りかけてくれると期待しています。

 

 


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